麦は冬に栽培される穀類であり、ユーラシア大陸の西半分で多く作られている。麦には小麦、大麦、ライ麦等、様々な品種があるが麦という括りの言葉は西洋には無く、それぞれ独立した品種名が用いられている。現代の食事に用いられる主なものは、小麦とライ麦である。 小麦は粉に挽かれ、パンや麺類に加工して消費される。現代のパン小麦は8000年前頃に出現したと言われている。ライ麦は北欧等、寒く土地がやせた地域で作られ、主にパンに使われる。ライ麦はグルテンを含まないため、小麦粉を混ぜたり、乳酸菌などで発酵させてパンを作る[1]。麦は製粉して使うことが多く、グルテン量の多い順に、強力粉、中力粉、薄力粉と呼ばれている。強力粉はパン、中力粉は麺類、薄力粉はケーキ類に使われる。


[1] 佐藤洋一郎、食の人類史、中公新書