玄米は胚乳の他に胚芽と糠層を含み、炭水化物だけでなく、食物繊維やミネラル、ビタミン等を多く含む故に健康に良い、というのは多分正しいのであろう。しかし、一方で消化が悪くまた糠層には農薬残留の懸念もある。さらに玄米の「発芽抑制因子」であるアブシジン酸の毒性も指摘されている。これに対しては、無農薬栽培玄米の使用、炊飯前の水浸漬で対応可能である。消化不良には圧力釜の使用で改善できる。圧力釜使用にはアクリルアミド生成の懸念があるが、圧力を1.8気圧以下に留め炊飯温度を118℃以下とすれば問題無いと思われる。さらに、玄米だけでなく豆類や昆布などを混ぜ、炊飯すればさらに栄養的に優れた食物となる。健康食物研究の一環として、乾燥したスライスシイタケ、昆布、小豆、ひよこ豆、レンズ豆、押麦、韃靼蕎麦茶を混入した玄米を試用している。